2019
06.30

長岡はるみ

ファシリテーター, 長岡はるみ

心理セラピスト 薬剤師

薬剤師として5000人以上の患者の薬物治療に携わってきたが、うつの友人の自死をきっかけに薬物治療に偏った精神医療に疑問を抱く。

薬に頼らないメンタルケアとしての実用心理学が、当たり前に選択される世界を作ることを目標に、現役薬剤師を続けながら心理学講座・心理療法家として長野県・東京にて活動中。

 

 

 

 

「この薬、このまま、飲んでいても大丈夫かな?」

 

電話の向こうで、不安げに質問する彼に、

新米の薬剤師だった私はこのように答えた。

 

「大丈夫だよ。お医者さんの出す量を守って飲んでいたら、副作用もそんなに怖くないから。」

 

そう伝え、電話を切った。

 

 

 

 

 

数年後、彼の訃報を知った。

自死だった。

 

 

 

 

薬を飲んで、不調や病気が快方に向かう人がいる一方で、

快方どころか、どんどん深みにハマり込んでいく人がいる。

 

 

袋に、パンパンに詰め込まれた、くすり。

 

 

薬は、薬物は、

それを必要とする人たちを幸せにしているだろうか。

 

薬のプロとして、この問いは常に私の中にある。

 

 

だけど、薬剤師としての私ができることは、処方箋に従うことだけ。

 

「用法、用量を守ってくださいね。おだいじに。」

 

 

 

彼の自死。

薬剤師としての葛藤。

 

 

 

 

 

だから私は、

 

心理療法家になった。

 

 

 

 

向精神薬を処方されたクライアントが心配を抱えてセッションに来られる。

 

「この薬、大丈夫でしょうか・・」

 

「大丈夫だよ。用量を守っていれば副作用も心配しなくていい。だけどね、同時に心を癒やして、心の力を高めていこうね。そうすれば薬を飲まなくてもよくなるから。さぁ、今日のセッションを始めるよ。」

 

 

 

強く、しなやかな、心の在り方をひとりでも多くの人に身につけてもらうこと。

薬剤師であり、心理療法家であり、心力教育家として、

それが、今の私に出来ること。

 

 

 

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