2019
09.30

『自分の良さを忘れたのは自分の責任』

all, 伊東ひろみ

『自分の良さを忘れたのは自分の責任』

これはル・ポール師匠がおっしゃたお言葉です。

 

 

わたしはドラァグクイーンが好きでして。

 

ちなみに、ドラァグクイーンとは

男性が女性の姿、

しかも過度に誇張した女装をすること。

 

ド派手なヤツです。

ル・ポールというのは

アメリカの大物ドラァグクイーンで

と・に・か・く!美しいのです。

 

お好きな方には有名な

「ル・ポールのドラァグレース」。

 

アメリカのテレビ番組で

全米各地から選ばれたクイーンが集まり、

ネクストスーパースターになるべく

競い合います。

 

わたしはこの番組を初めて見た時、

とても驚きました。

 

クイーン達はごく自然に

ドラァグ姿の自分の事を

「彼女はこういうキャラクターなのよ」

と話すのです。

 

自分の事なのに「彼女」と呼ぶ。

なかなか日本人にはなじみがない感覚ですよね。

 

これって実は結構、

めちゃくちゃ重要なポイントです。

 

日本人が議論が苦手で批判に弱いのは

考え方や意見を

「わたし、わたし、わたし」と

ひとつのアイデンティティにまとめてしまうから。

 

もちろん、

社会環境が違うからだと思います。

 

PCSでは自分を「彼女」と呼ぶ視点を訓練します。

必要な視点なんですよね。

 

で、

そんなふうな物の見方ができる彼女たちでも

批判にさらされ続けると

意見を否定と受け取るようになってしまいます。

 

レースですからね

毎回批評されて

脱落していくのです。

 

褒められている部分はもちろんあるのに

否定にばかり目が行ってしまいます。

 

「彼女」と呼んだって

やっぱり自分だし

自分の作品であるドラァグを否定されるのだから

ディレクターとしてもへこみますよね。

 

第1シーズンの最終回で

審査員にクイーン達が

「あなた達は批判するばかりだ!」と

詰め寄るシーンがあります。

 

(ここでは批判を否定の意味で使っていると思われます

ていうか字幕で見てるので実際にはどんな単語を使っているか分かりません)

 

そこで冒頭のセリフをル・ポールが言うのです。

 

「あなた達は素敵だからここにいるのよ!」

「誰かの批判が気になるのは自分が素敵だということを忘れるから」

「自分の良さを忘れるのは自分の責任」

…しびれませんか?(笑)

 

とかくわたし達は

出来ない事やダメな自分に目が行きがちで

そのくせひとりでは生きられないから

誰かの意見にすがります。

 

誰かの意見も

悪いところばかりピックアップしがちで。

 

衝撃を受けるからね

当然と言えば当然なんだけれども。

 

だけど

わたし達は素晴らしい存在である

これはまぎれもない事実で。

 

この世は陰陽で成り立っていて

「良い」しかない世界はありません。

 

「良い」があるということは必ず「悪い」がある。

 

ということは

「悪い」があるならば「良い」も必ずある。

 

何を当たり前の事言ってんだー

 

ですが

こと「悪い」が目にはいると

「悪い」にしか目が行かなくなるんですね。

 

気になるから。

 

自分を変えるってものすごく大変なことのように

捉えられがちですが

「悪い」ばかりに目が行きがちだったものを

「良い」も同じように見られるようにする

こんなことだったりします。

 

いや、大変ですけどね(笑)

 

わたし達は自動的に

世界から何かをピックアップしているから。

 

無意識に。

 

産まれてから今の年齢になるまでの間

ずーっとずーっと自動でやってきたものを

手動に切り替えるのだから

まあ、面倒だったりもします。

 

だけど

「良い」だけの世界を目指すのではないですよ!

「良い」も「悪い」も同じだと知る。

難しいけど。

 

「自分の良さを忘れるのは自分の責任」

ということは

自分の良さを確認し続けなければいけないし

前提として自分が良いということを信じている必要がある。

 

うん。厳しいな。

厳しくて、愛が深い言葉だなと

自分の良さを忘れてボケーっとしていたわたしは

とても感動したのです。

 

ル・ポールのドラァグレース

めちゃオモシロイですよー。

 

最終的にはどのクイーンよりも

ル・ポールが一番ゴージャスやん。

となるのですが(笑)

 

興味のある方はぜひ見てみてくださいね~♪

 

伊東ひろみ