2019
09.10

ある物を無いことにするから、苦しくなる。

all, 伊東ひろみ

覚悟のない欲望って

つまらないと思うわ

 

このセリフが聴きたくて

全裸監督を観ました。

 

 

わたしの波動の先生

ゆりちゃんのブログで

紹介されていたこのセリフ。

 

 

この作品自体ぜんぜん知らなかったのだけど、

どうしてもこのシーンを見たくなってしまった。

 

 

作品自体は、すごい熱量だった…!

ふむふむ、AV監督の話か。

エッチなシーンがいっぱいね。

オッケーオッケー。

 

と観始めたはいいけれど

苦手なタイプのエロさで

げぇええええ、ダメだ…

気持ち悪くてそっ閉じしそうになりました(笑)

 

 

そう。エッチではなくエロ。

昭和から始まる話だからね。

 

テレビに普通に裸の女の人が出ていたり

エロ本が道や公園に捨ててあった時代。

 

 

昭和から平成にうつって

バブルが崩壊して

世の中はどんどん

平等や秩序を求めて

見てはならない物を排除しよう

という動きがあったような。

 

今でも話題に上るような

猟奇的な事件もあったけど

ワイドショーでエンタテインメント化されて

どこか遠くの話のように感じてたと思います。

 

 

性的な物って汚くて怖くて

ことさらイケナイモノ

になっていって。

 

 

それは弱い立場の女性や子供を

守るためだったのだけど

自分の意志に反して

体を触られたり

見たくない物を見せられた自分は

汚くて汚らわしい。

 

 

性的な物に興味を持って

それに触れようとする自分は

汚くて汚らわしい。

 

 

そんなふうに

無意識的に思ってしまう

という構造も生み出しているのかなー

と思ったり。

 

 

なんていうのかな、

性的な事が秘め事ではなく

禁忌になってしまった。

 

 

だけど

物語中にもあったけど

家庭にビデオデッキが普及したのって

エロビデオをデッキ購入の

おまけにつけたからなんだよね。

 

なんだかな(笑)

人間らしいな(笑)

 

性的な事に限らず、

隠そうとしてもしきれない物を

無い物にしようとする

そんな無茶が

現代人を生きづらくさせているのだと思う。

 

 

平均的でなければならぬ。

逸脱してはならぬ。

そんな強迫観念でもって

他人や自分を見張って罰を与えようとする。

 

 

あのね、陽があるところには必ず陰があるからね。

陰陽はセット。

片側だけ無いことにするのは不自然で不可能だよ。

 

 

そんな色々を感じながら

演者の圧倒的な演技力や集中力

世界観の作りこみで

結局

最後まで一気に観てしまった。

 

 

森田望里さんすごくいい女優さんだと思う!

ほんとすごい覚悟を感じました。

 

 

覚悟のない欲望って

つまらないと思うわ

欲望ってなんだろうって

ずっと考えています。

 

欲望。

生きるための原動力?

生命の維持には必要ないけど

やらずにはいられないもの?

 

うーん、なんだろう。

 

いずれにせよ

わたしには覚悟というものが

圧倒的に足りないと思いました。

 

 

命を生き切る。

人生をヤリきる。

そんな覚悟。

 

やっぱりわたしは

平均的でありたい病に侵されていて

逸脱することに恐怖を覚えているんだね。

 

まだどこか

自分がまともだと思っている。

 

安心してください

あなたも同じですよ(笑)

 

平均からはみだす自分を

「こら!もっとちゃんとしなさい!」

って思っていると思うのですが

平均ってなんだろうね?

ちゃんとってどういうことを言うのかな?

 

 

…それを言うなら

命を生き切るとか

人生をヤリきるって何よ??

とも思うと思うのですが

その答えを出すために必要なのが

アウトカム(目標)ってヤツなんだな。

 

 

たぶんとか

なんとなくじゃなくて

明確に目標を持つのだ。

 

うーん、こうして考え続けるっていうことは

やっぱりオモシロイ映像作品だと思います。

 

 

伊東ひろみ